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2020.06.03
Vol5.インターンで培ったスキルは、研究室でも役立てることができています

 

于 再治

インターン

2019年8月~2020年3月

 

大学での研究活動
私は現在(2020年3月)、京都大学院の工学研究科修士課程に在籍しています。研究室は琵琶湖のほとりにあり、環境水中や下水中に存在するウイルスを研究しています。ウイルスを題材にしたある有名なゲームが好きで、この研究テーマを選びました。普段は主に二つの実験に取り組んでいます。
一つ目は、雨天時の下水処理場のウイルス除去能力を評価することです。地球温暖化の影響により、日本では豪雨が頻発するようになりました。その結果、大量の雨水が下水管の中に侵入し、下水処理場まで流れていきます。この現象が下水処理場の処理能力にどのような影響を及ぼすのかを、明らかにしたいと考えています。毎月メンバーと一緒に、下水処理場や河川中のウイルス濃度を測定しています。調査日は朝から晩まで実験室にこもっています。
二つ目は、ウイルスの定量手法の改良です。私が一番注目しているのは、冬に流行する「ノロウイルス」ですが、実は培養が非常に困難です。代わりに、PCRで定量しているのですが、残念ながらPCRは生きているウイルスと死んでいるウイルスを区別することができません。より正確なデータをPCRで得られるようにするのが目標です。実験は失敗続きですが、必ず結果を出したいと思います。

 

E-konzalを知ったきっかけ
修士課程を修了した後は、環境問題に取り組む企業への就職を考えています。研究室と企業とでは考え方やペースが異なるため、就職活動が始まるまでに企業で働く経験を積みたいと考えました。環境企業でインターンプログラムを提供しているところを探していく中で、E-konzalに出会いました。科学の知識を活かして社会へ解決策を提言していく理念に惹かれ、E-konzalのインターンシップに応募しました。

 

E-konzalで携わった業務
E-konzalでは主に二つの業務に携わらせていただきました。
一つ目は、気候変動に関するシミュレーション結果を報告書にまとめる業務です。AIMはアジア太平洋統合評価モデルのことを指し、世界でも高い評価を得ている気候変動シミュレーションモデルです。このモデルのシミュレーション結果をまとめて、日本の企業が気候変動へ対応する際、参考にできる報告書を作成するのが目標でした。この業務は、非常にプレッシャーが大きかったです。「構成はどうすれば良いのか」、「読み手は何を知りたいのか」、「この表現は適切なのか」、これらの疑問になかなか答えを出すことができませんでした。そのため、速度が非常に遅かったです。しかし、悩んだときは社員の方々が相談に乗ってくださり、図の作り方から文章の表現まで、丁寧にアドバイスしてくださいました。初めは辛いと感じていたのですが、徐々にワクワクすることが多くなっていきました。最後は、自分なりの考えを持って執筆することができました。
二つ目は、データの集計でした。各都道府県の統計を集めて、フォーマットを統一するという業務を任されました。そして、自分はExcelをまったく使えなかったという事実を痛感しました。関数を使いこなすことができず、想像以上に進度が遅かったのです。急いでExcelの関数を調べ、少しの入力だけで集計が終えられる方法を考えました。今までこのようなことを考えたこともなく、非常に辛かったです。しかし、Excelへの理解が深まり、経験値を一気に高めることができました。

 

E-konzalでは普段の研究とはまったく違う業務を任されましたが、そのおかげで研究室では得られない経験を得られました。逆輸入という形で、インターンで培ったスキルは、研究室でも役立てることができています。また、ランチタイムは社員の方が気さくに話しかけてくださり、人生面での相談にも乗ってくださりました。E-konzalのインターンに応募して本当に良かったと感じています。

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